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色付き(カラー)のスリットアニメを作るときのちょっとしたコツ

当サイトでもカラーのスリットアニメーション(スキャニメーション)をたくさん制作しております。

スリットアニメーションを作る際、色として一番いいのは実は「白黒」です(断言!)

これは、この技法が基本的に「シルエット」で見るものだからです。

背景が白で、アニメーションが黒、このスタンダードな組み合わせが最も適しています。

 

とはいいつつも、やはり欲は出るもので、

いろんな色を付けて、「オシャレ感」を出したいという気持ちはものすごくわかるわけで。

 

ただ、カラーものをつくる時、かならず抑えておくべき大きなポイント、それは

「コントラストを意識する」ことです。

背景とアニメーションは必ず

補色といわれる、いわゆる「反対色」を意識するように心がけましょう

(画像:ウィキペディア)

それだけでもだいぶ違います。

それではまた。

 

当サイトのスリットアニメーションは何故「6コマ」なのか

当サイトのスリットアニメーション(スキャニメーション)は、6枚のイラストを一枚に合成したものです。

スリットのすき間がちょうど1/6だけ見える隙間になっているため、スライドさせると(隠れている)絵柄が出てきてパラパラ漫画の原理で動いて見えるのです。

さて、そこでよく聞かれる質問が。

『なぜ6コマなのか』

正直、6コマでなくてもいいです。
それを証拠に、過去すべてが6コマというわけではなく、一応いろんなコマでも制作しています。

ただ、コマ数を減らす(3コマや4コマ)と動きがカクカクしてぎこちない感じになったりします。
逆にコマ数が多い(8コマ、9コマ)と、動きは滑らかになりますが、
スリットが黒でつぶれてしまって、ほとんど真っ黒になってしまいます。

そのちょうど中間が6コマなんです。

ただし、これはA4サイズあたりまでの話。

A3サイズや、それ以上の大きなサイズになれば、8コマ、9コマ、10コマと増やしても差し支えありません。

ただ、コマを増やすと作る方もそれなりに大変になってきます。
大変な苦労をしたわりに、それほど感動が生まれるわけでもないので←
やはり6コマくらいがちょうどいいと思います。

スリットを「カラー」にするときの注意点(スリットアニメーション)

 

当サイトで紹介しているほとんどすべてのスリットアニメーションを
「黒色」で制作しています。
(たまにポッキーとか、年越しそばとか、悪ノリもありますが。笑)

 

誰かに見せるとき、
あるいは企業様などから特別注文いただくとき
結構多い質問が
「スリットは黒じゃなきゃダメなの?」
というものです。

技術的にはもちろん4色カラーで可能です。
黒で作っている縞模様のデータに
色を塗るだけですから。

実際、当サイトでも過去のご依頼でいくつかカラースリットで制作したこともございます。

ただ、問題が2つあります。
①視覚的要因~カラーにすればいいわけでもない~
②コスト的要因~透明のシートに普通のカラー印刷は透けてしまう~

です。

①視覚的要因

 
スリットアニメーションは、とどのつまり「シルエット」で動きを認識しています。
スリットに色を付けると目がチカチカしたり、
(シルエットのコントラストが弱く)どうも制作側が思ったほどのインパクトが弱かったりと、
色をつけることによって必ずしも「いい」とは限りません。

 

②コスト的問題

透明フィルムに普通のカラー印刷をすると
実は半透明になるんです。ご存知でした?

なぜか。

インクの中に白色がないから」です。

白色は、普通「紙の白」を使うため、インクに白を入れる必要がないんです。(当たり前すぎて考えたこともなかったですよね。笑)

よってほとんどの印刷会社やコピー屋さんの機械には「白」が入っていません。
だから透明フィルムにカラー印刷をすると「半透明」で透けてしまいます。
スリットアニメーションはシマシマの部分で「隠す」のがポイントなんですが
透けてしまっては台無しです。

でも、少し大きな印刷会社、いわゆる「特殊印刷」的な対応をしてくれるところは
「白をまぜたインク」で印刷してくれるところもあります。

「じゃあそれでいいじゃん」って話ですが。

めっさ高いです。

A4モノクロだとコンビニでコピーしたとしても10円くらいでしょ?まあフィルム代を入れても100円とかそんなもんです。
ところが、この白をまぜた途端、A4サイズ1~2枚印刷しただけで5000円以上します。
(もちろん枚数が増えたら一枚あたりの単価は下がります)

A1、A2サイズだと諭吉です。

 

白のインク自体が特殊で扱っている印刷会社が限られていることと
おそらくそれ専用の機械を動かすための費用も含まれるんだと思います。
色を使ったスリットアニメーションを制作したい、という方は、ちょっと頭の片隅にでも入れておいてください。

スリットアニメーションを作るときのコツ

スリットアニメーション(スキャニメーション)を作るときに
まず知っておいてもらいたいのが2つあります。

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①ループ動画にする
②数を増やすとより滑らかに見える
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です。

①ループ動画にする

最終コマが終わった後、次のコマ、つまり1コマ目がつながっていると
連続したアニメーションに見えて非常になめらかです。

逆に、最終コマと最初のコマがつながっていない、つまり
ループ性のないアニメーションはあまり適しません。

例えていうなら、
水泳の「クロール」はループ性があるので適しています。
サッカーのシュートはループ性がないのでスリットアニメーションには適しません。

 

②数を増やすとより滑らかに見える

これを知ってるだけで、初級レベルはクリアといっていいです。
わかりやすくするため、図で説明します。

丸が1個あります。これを6コマで1週させるには、
当然ながらこんな感じになります。


 

1コマの移動角度は60度です。結構動きますね。
 
ところが、丸を5つ作って、それを回転させる、となるとどうでしょう。


1コマの移動角度が12度。めっちゃ少ない!
小さく移動するということは
非常になめらかな動きに見えるというわけです。

これを知っているといないとでは全然違います。