スリットを「カラー」にするときの注意点(スリットアニメーション)

 

当サイトで紹介しているほとんどすべてのスリットアニメーションを
「黒色」で制作しています。
(たまにポッキーとか、年越しそばとか、悪ノリもありますが。笑)

 

誰かに見せるとき、
あるいは企業様などから特別注文いただくとき
結構多い質問が
「スリットは黒じゃなきゃダメなの?」
というものです。

技術的にはもちろん4色カラーで可能です。
黒で作っている縞模様のデータに
色を塗るだけですから。

実際、当サイトでも過去のご依頼でいくつかカラースリットで制作したこともございます。

ただ、問題が2つあります。
①視覚的要因~カラーにすればいいわけでもない~
②コスト的要因~透明のシートに普通のカラー印刷は透けてしまう~

です。

①視覚的要因

 
スリットアニメーションは、とどのつまり「シルエット」で動きを認識しています。
スリットに色を付けると目がチカチカしたり、
(シルエットのコントラストが弱く)どうも制作側が思ったほどのインパクトが弱かったりと、
色をつけることによって必ずしも「いい」とは限りません。

 

②コスト的問題

透明フィルムに普通のカラー印刷をすると
実は半透明になるんです。ご存知でした?

なぜか。

インクの中に白色がないから」です。

白色は、普通「紙の白」を使うため、インクに白を入れる必要がないんです。(当たり前すぎて考えたこともなかったですよね。笑)

よってほとんどの印刷会社やコピー屋さんの機械には「白」が入っていません。
だから透明フィルムにカラー印刷をすると「半透明」で透けてしまいます。
スリットアニメーションはシマシマの部分で「隠す」のがポイントなんですが
透けてしまっては台無しです。

でも、少し大きな印刷会社、いわゆる「特殊印刷」的な対応をしてくれるところは
「白をまぜたインク」で印刷してくれるところもあります。

「じゃあそれでいいじゃん」って話ですが。

めっさ高いです。

A4モノクロだとコンビニでコピーしたとしても10円くらいでしょ?まあフィルム代を入れても100円とかそんなもんです。
ところが、この白をまぜた途端、A4サイズ1~2枚印刷しただけで5000円以上します。
(もちろん枚数が増えたら一枚あたりの単価は下がります)

A1、A2サイズだと諭吉です。

 

白のインク自体が特殊で扱っている印刷会社が限られていることと
おそらくそれ専用の機械を動かすための費用も含まれるんだと思います。
色を使ったスリットアニメーションを制作したい、という方は、ちょっと頭の片隅にでも入れておいてください。

スリットアニメーション.com| ちょっと不思議なぱらぱらマンガ